鶫の書

鶫書房房主の古書蒐集と読書の記録です。

青札古本市

 2022年3月31日である。

 

 西部古書会館にて青札古本日の初日。なかなかよかった。

 

 『金子洋文集』新進傑作小説全集(平凡社昭和5年) 函 200円

 ラビ・ピンハス・ペリー『トーラーの知恵』(ミルトス・1990・3刷) 帯 200円

 ロジェ・カイヨワ『旅路の果てに:アルペイオスの流れ』叢書ウニベルシタス(法政大学出版局・1982年) 500円

 

 新進傑作小説全集は、「犬養健」「池谷信三郎」「佐佐木茂索」「横光利一」「片岡鐵兵」「十一谷義三郎」「金子洋文」「小島政二郎」「葉山嘉樹」「岡田三郎・尾崎士郎」「川端康成林房雄」「瀧井孝作牧野信一」「関口次郎・菅忠雄」「南部修太郎・石濱金作」「中條百合子・宇野千代」という全15巻のラインナップ(のはず)。本来は月報がある。

 ミルトスの本は古書価が高くなっている場合があるので、安く買うことができてよかった。

 カイヨワは趣味です。帯欠で安くもないが、なぜかカイヨワを見ると買ってしまう病にかかっているようだ。他に戦前の歌集数冊を買った。

 

 今回は「がらんどう」と「古本案内処」の棚が安いのではないかと思う。「がらんどう」の値札に「甦れ60年代!」と書いてあることにいまさら気づいた。1960年代か、ちょっと苦手だが……。60年代(西暦1世紀の)なら甦ってほしいけど……。

 南陀楼綾繁『古本マニア採集帖』(皓星社・2021年)も面白いといえば面白いのだが、そこに出て来る人たちはまだまだ話せる人たちなわけで、物足りない。小便の匂いを漂わせながら、とか、ふとサンダル履きの足元を見たらひどい水虫である、とか、独り言と独り笑いが止まらない、とか、やたら大きく足音を立てるようにして歩き、ぶつかるように攻撃的に見てくる、とか、こういう壊れた人たちがいないのだよなあ。ただ、自分でこう書いていて、こんな人たちの蔵書は見たくはない、と思ったけれども。

 

 日曜日までやっているみたいです。