鶫の書

鶫書房房主の古書蒐集と読書の記録です。

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

澄宮(三笠宮)、庄野英二、童謡

2022年2月28日である。 庄野英二『鶏冠詩人伝』(創元社・1990年)に、こんな挿話がある。 庄野(1915‐1993)は大正11年(1922年)、父貞一が初代校長を務めた帝塚山学院幼稚園に入園したのだが、当時、大正天皇の第四皇子である澄宮(後の三笠宮、1915‐2016…

好書会

2022年2月27日である。 西部古書会館で開催されている「好書会」の二日目へ。閑散としていて、客としては快適な環境。帳場でのやり取りに笑う。 「○○さん、電話。可愛い女の子の声……」 「えっ、あ、」 「噓だよ」 有線なのか、内山田洋とクール・ファイブな…

福田栄一、この花に及かず

2022年2月25日である。 福田栄一の第三歌集は『この花に及かず』(洗心書林・1948年)。 これは今はなき短歌新聞社の「短歌新聞社文庫」にも入っていて、この文庫本(1996年)はわりと安く手に入る。ただ、元本となると意外と入手困難である。昭和19年夏から…

矢ケ崎奇峰、良寛、子規

2022年2月24日である。 以前に購入していた歌誌「槙の木」昭和24年4月号。復刊第一号であり、矢ケ崎奇峰翁追悼特集号でもある。 これは窪田空穂門下の岩崎睦夫を中心とした槙の木会を母体とする短歌雑誌で、長野県松本市で発行されていた。 前年4月15日に逝…

高階廣道、釈迢空

2022年2月23日である。ネットで購入した本。 高階廣道『橿の生』(高階研一・1957年・再版) 100円 これは再版で、初版は昭和23年(1948年)に刊行された。内容における初版との違いは巻末に家族による思い出の記が追加されたことである。父・研一は初版でも…

三省堂書店池袋本店古本まつり

2022年2月22日である。三省堂書店池袋本店「古本まつり」。出店は、古書明日、アットワンダー、一角文庫、石田書房、古本うさぎ書林、大村書店、かぴぱら堂、九曜書房、虎十書林、古書瀧堂、中央書房、東京くりから堂、夏目書店、にわとり文庫、吉本書店、ハ…

歌集なき歌人、渡邊光風

2022年2月20日である。 自分の歌集を編纂していて思うことがある。 十代の終わりからの作品を一応は記録してあるのだが、当然ながら現在の眼から見て、歌集に採録出来る歌など一首も無い。二十代もそうだ。これはちょっと驚きでもあったが、当然のことかとも…

井伏鱒二、夏の狐

2022年2月19日である。 井伏鱒二『場面の効果』(大和書房・1966年)に「夏の狐」という短篇が収録されている。昭和8年に書かれたものだそうで、これより先に『夏の狐』(三島書房・1947年)に収録されている。 自分が小さい頃には「狐にだまされた娘」がい…

秋艸道人、題簽

2022年2月18日である。 高橋文彦著・財前謙編『會津八一題簽録』(武蔵野書院・2005年) 1180円。 小笠原忠編『会津八一歌がたみ 奈良』(宝文館・1979年) 新装版 帯 300円。 いずれもネットで購入。題簽録はまだ新刊も売っているけれども、良い本。八一が…

秋艸道人、時漬け

2022年2月17日である。郵便物の発送等のついでに、古書ワルツ荻窪店に行く。 宮川寅雄『秋艸道人随聞』中公文庫(中央公論社・1982年)帯 110円。 高瀬広居『仏音:最後の名僧10人が語る「生きる喜び」』朝日文庫(朝日新聞社・2004年)帯 110円。 山田無文…

行路詩社、寂光

2022年2月16日である。ネットで購入した本が届く。 小池守之『墨東惜春譜:行路詩社ノート』(東銀座出版社・2011年)帯 100円。 若守菊枝『寂光』(私家版・1931年)函 800円。 『墨東惜春譜』は松倉米吉、早川幾忠らの「行路詩社」に関する研究書。540頁前…